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毛細管現象による屋根からの雨漏りを未然に防ぐ対策
雨漏りアドバイザー宇野:コロニアルやカラーベストなどのスレート屋根を塗装する場合は注意!
毛管現象の原理まで理解する必要はありませんが、屋根を塗装する場合にはこのような現象と対策方法があることを理解しておきましょう。
屋根塗装をしたことで雨漏りが発生する原因になることも!?
「今まで雨漏りなんてしていなかったのに、屋根を塗装してから雨漏りするようになった…」このような相談があります。これには、毛管現象と縁起りという作業が関係してきます。特にコロニアルやカラーベストなどのスレート屋根を塗装する場合には、注意が必要です。
毛管現象とは?
毛細管現象とは、液体が細い隙間を重力に関係なく広がり浸透していく現象の事です。この現象は、屋根材で起こることがあり、雨漏りの原因になります。
特に多いのがスレート屋根です。例えば、スレート屋根(サイズW910×H450)は、下側軒先から張り付けて、次に45㎝左右にずらして屋根の一番高い所へ1枚目の上半分を隠しながら張り付けて行きます。その上にも同じ作業を繰り返しながら、重なりを形成しながら屋根全体ができます。
その重なりの隙間に雨水が入り込み、毛細管現象により雨水が内部に浸透してしまい、屋根を取り付ける釘穴等から内部屋根裏に漏れ出し雨漏りが起こります。
タスペーサーによる縁起り対策
毛管現象を起こさないためには、屋根材と屋根材の重なりに一定の隙間を確保する必要があります。そこで、屋根を塗装する際に、隙間を確保する作業を縁起りと言います。この縁起りで使う部材で一般的なものがタスペーサーと呼ばれるプラスチック製の差し込む部材です。
入れる場所は、屋根材のジョイント部分の位置から左右15㎝を目安に入れていきます。数量的には100㎡で、約1000個使用します。入れるタイミングは下塗材完了後です。
今までは、屋根塗装完了後に、密着した塗料をカッターや皮すきで切っていましたが、屋根本体が割れ・キズがついたり・足跡が残ったりと、再塗装を行うこともありました。
また、表面の塗装が乾燥していても屋根内部に入り込んだ塗料が乾燥しきれない場合もあり、縁切り後また密着してしまったケースも少なくありませんでした。
このようなカッターや皮すきによる縁起りの問題点を解消したのがタスペーサーです。
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